黒歴史日記。

なで肩です。

好きな食べ物の答え方について

昨日のブログの投稿後「つまんなかったお☆」というありがたいお言葉がいくつか寄せられた。

 

うん。あれだね。みんな結構、そういうのも平気で言ってくるタイプなのね。いや、うん。いいのいいの。いいんだけどさ。ね。なんか普通につまんないとか言われるやつなんだね。これって。いや、いいのいいの。全然気にしてないしさ、うん。

 

とにもかくにも、昨日の僕の醜態を見てたにも関わらず、今日もこうして、この記事を読んでくださってるあなたには本当に感謝しかない。見捨てないでくれてありがとう。嬉しいです。

え?

ほんとは昨日の、結構面白かった?

なんだよー、だったらそう言ってよ。

 

さて、現実逃避はここまでにして本題に入ろう。

 

僕はその日、志望するゼミの面接を翌日に控えていた。僕の志望するゼミはかなり倍率が高かった。これは対策をしておくべきだろうと、一緒にいたS子に面接の練習をお願いした。S子は快く引き受けてくれた。

 

「あなたの好きな食べ物はなんですか?」

S子、しょっぱな1発目からコテコテの質問。

「うーーーーーーん……」

僕、まさかのコテコテの質問につまづく。

 

(僕の本当に好きな食べ物の唐揚げはサービス精神なくて面白くないよなぁ…。唐揚げ、お寿司、カレー、焼肉はみんな好きだもんなぁ…。オリジナリティ出してえなぁ…、センスある奴に見られてねぇなぁ…給食の高野豆腐のうま煮!あれ好きだったなぁ…。いやいや、高野豆腐は狙い過ぎだなぁ。19歳の少年のナンバーワンが高野豆腐でええわけないもんねぇ。ほな、高野豆腐とちゃうかぁ……。キムタクはお母さんの卵焼き!って答えたらしいなぁ…。くそーーかっけぇなーー。これでいくか?いやいや。もし面接官の中にキムタクのエピソードを知っている人がいたらどうする…?「え?なにこの丸顔。キムタク意識?」とか思われたりしたら、僕の大学生活、建て直しがきかなくなるまでにぶっ壊れてしまう……。)

 

そんなようなことを考えて、僕のだした結論はこうである。

「S子さんの好きな食べ物はなんですか?」

まさかの逆質問である。もう面接をナメているとしか思えない。

 

対するS子、

「うーん。私は挽肉…かな?ハンバーグとか、シュウマイとかミートソースとか…好きだし。」

 

(挽肉…!?なかなかセンスがいいじゃないか。というかこれほぼ正解じゃないか!、オリジナリティもあるし、わかりやすいし、狙った感も薄いし…。くそぅ、悔しい。なにが悔しいってS子はこれを狙って言ってる感がない。ほんとに挽肉が好きで言ってるような気がする。元からそういうセンスはあるのだろう。ただものではないS子…、いやもう挽肉子でいいや。どうしたら挽肉子みたいに言えるのか…。)

 

「挽肉子さぁ、ちょっと一回面接の練習やめて好きな食べ物の正解だそうよ。」

 

「いいよ。けど私の挽肉って結構正解じゃない?」

挽肉子、まさかの挽肉は狙っていたのだ。くそぅ。挽肉子、完全にやっていた。挽肉子…ここは挽肉という正解にたどり着いたことに敬意を表してS子に戻してやることにする。

 

そこから2人であぁでもない。こうでもない。と「好きな食べ物」の正解について話していた。

このときにはすでに、明日の面接のことは完全に2人の頭の中から抜けている。

 

「クリームシチューは?」

「うーん、良いんだけど男の子がそれいってもなぁ…かわいすぎるんじゃ?」

「サバの塩焼き?」

「サバの塩焼き!美味しいよねぇ…」

 

それからは、ほとんど大喜利だった。2人して、どの食べ物はどんなイメージがあるのかひたすら語り合っていた。

 

そう考えると不思議だ。材料はおんなじものを使う料理でも、調理法が違って別の料理になった瞬間、その料理に対するイメージまでガラッと変わってしまうのだ。素材はまったく一緒なのに。肉じゃがとカレーでは、受ける印象はやっぱり違う。

 

 

そして!!!ついに!!!我々は辿りついてしまった。

狙った感がない。かつ「なんかこいつわかんないけど良い人そうだ!!!」感が満載で、それでいて、他と被らない。そんな最強の食べ物がこの世には1つだけ存在するのだ。

断言する。「好きな食べ物は?」の正解は間違いなくこの食べ物だ。仲間内の集まり、合コン、就活、お見合い、ぜひ人生の様々な場面で活用していただきたい。もう人類は「好きな食べ物は?」におびえる必要はないのだ。

 

時を戻そう。迎えた面接当日。僕は面接開始の5分前まで、同じゼミを受ける友達4人と別室で待機していた。僕はその間何回もトイレにいった。自分の手先がサァーーっと冷たくなっていく感覚がわかった。何回水を飲んでも喉が渇く。完全に緊張してしまっていた。

横の席に目を向けると、友達もやはり面接に向けて色々準備をしてきているようだった。志望動機や大学生活で頑張ったこと、将来の夢などが友達のルーズリーフには箇条書きでまとめてあった。それを見て、僕は少し怖気づいた。しかしすぐ立て直して、いやいや俺だって昨日色々と準備してきたんだから。と慌てて自分のメモを開いた。

 

 

 

薄いシャーペンの文字で一言、「コロッケ」と書かれただけであった。